もう一度、言います。サブクラス155ビザの更新料490ドルが、1,475ドルになりました。既にSNSではこの話題で少し盛り上がっているようです。
「値上げ」という生ぬるい言葉で片付けないでください。これは実質+201%の上昇。ワーキングホリデーの更新は+49%、学生ビザやパートナービザでさえ+25%というインデクセーションの範囲で「大人しく」済んでいる中で、155だけがこの数字です。もはや偶然とは思えません。誰かが会議室で「どのカテゴリーなら文句を言われても法的には問題ないか」を真剣に検討した結果、としか思えない仕上がりです。
長年、真面目に税金を納め、コミュニティに貢献し、5年ごとに黙って更新料を払い続けてきた永住者に対して、ある日突然「はい、3倍」。説明もなく、経過措置もなく、記者会見もなく。深夜0時27分、ビザ料金表がひっそり更新される——それが今回の告知方法でした。堂々と発表するには、少し都合が悪かったのかもしれません。
理由は表向き立派です。「純海外移民数の抑制」。ただし同じ予算で、ビザ申請料による歳入は今年度61.8億ドルに達する見通しとも書かれています。移民を減らしたいのか、移民から稼ぎたいのか——両方本音なのでしょうが、少なくとも「移民数抑制のため」という説明を、永住者からもう一度お金を取る理由として使うのは、なかなかの名案だと思われます。しかもサブクラス155は「新規に入ってくる人」を止める制度ではありません。「すでに国に入って、税金を納めて、住み続けている人」から取る制度です。少し抑制する対象がずれているようにもうかがえます。
「985ドル、5年で埋め合わせプラン」
とはいえ、いくら皮肉を言っても更新料の金額は変わりません。国に文句を言う権利は当然行使しつつ、現実的にこの差額の985ドル、どこから捻出するか考えてみましょう。
5年ごとの更新なので、985ドルを260週で割ると、「週あたり約3.8ドル」。政府が「移民制度の持続可能性のため」と呼ぶ金額は、私たちの生活では意外と身近なサイズ感で解決してしまいます。
- コーヒーを週7回→週3回に。 浮いた20ドルは、隣の席の同僚が毎回「今日は奢るよ」と言って結局奢ってくれないランチ一回分の金額とだいたい同じです。つまり実質、何も変わっていません。
- 晩酌を週7回→週1回に。 週6日分我慢した達成感は、ジムに5回行くつもりで結局1回しか行かなかった月の罪悪感と、ちょうど相殺されます。差し引きゼロ、悟りの境地です。
- ゴルフは月1回まで。 浮いたカート代で買えるのは、次のラウンドで絶対にラフに消える予定のゴルフボール、だいたい1ダース分です。先に処分してしまえば、探す手間が省けます。
……こう並べてみると、正直コーヒー数杯分の話です。だからこそ余計に腹が立ちます。この程度の節約で吸収できてしまう金額を、わざわざ「歳入確保」「制度の持続可能性」という立派な言葉を使ってまで、3倍にする必要が本当にあったのでしょうか。 財政の穴は、どうやら永住者のマグカップで埋まる規模だったようです。
もう更新ゲームに付き合わない、という選択
そもそも、5年ごとにこの節約ゲームに付き合い続けるのが嫌なら、ゲームそのものから降りる方法もあります。市民権です。
一度取ってしまえば、政府は二度と「はい、また更新料ね」とあなたの財布に手を伸ばせなくなります。155という名の“強制サブスクリプション”を、生涯分まとめて解約する。深夜にこっそり料金を3倍にしてくる相手に対して、こちらが打てる数少ない合法的な逆襲です。
……ここで正直に申し上げます。これは私たち法律事務所にとっても、なかなか「美味しい」案件です。政府があなたから985ドル多く取り、その結果あなたが「もう二度と取られたくない」と当事務所に相談に来る。政府の値上げのおかげで我々の仕事が増える、という何とも皮肉な食物連鎖です。とはいえ隠すつもりはありません。政府が堂々と値上げしてくるなら、こちらも堂々と商売させていただきます。
とはいえ、永住者でい続ける方たちには、市民権を取得しないそれなりの理由もあります。そのため、更新し続けなければならない方々も居られます。
そのため、毎日のコーヒーを我慢し続ける5年間と、市民権申請にかかる数か月——どちらが割に合うか、電卓片手に一度ご相談ください。少なくとも、こちらの相談は深夜0時27分にこっそり値上げしたりしません。







